一般社団法人日本ABAマネジメント協会

一般社団法人日本ABAマネジメント協会のホームページにご訪問いただき、
誠にありがとうございます。

当協会は、人の行動を望ましいものにするマネジメントのやり方である、
「ABAマネジメント」の研究、実践を行う協会です。

「ABAマネジメント」に関するセミナー、講演、講座の開催や、
記事の寄稿なども行っています。

「ABAマネジメント」とは?

「ABAマネジメント」の「ABA」とは、

「Applied Behavior Analysis」のこと。

日本語に訳すと、そのまま「Applied(応用) Behavior(行動) Analysis(分析)」で、「応用行動分析学」と呼ばれています。

心理学の学問であり、1960年代からアメリカを中心に発展してきました。
創始者は、アメリカの心理学者の「バラス・フレデリック・スキナー(Burrhus Frederick Skinner  1904年 – 1990年)です。

心理学と言っても、有名なフロイトやユングの唱えた「精神」というような、人の内面は一切見ず、あくまで目に見える「行動」のみを分析してきた学問で、「徹底行動主義(Radical Behaviorism)」と呼ばれたりもします。

「理系の心理学」と言うと、わかりやすいかもしれません。

人がどのようなときに行動して、どのようなときに行動しなくなるか。

行動の前にある環境(状態)がどのようになっているか、
そして、行動した後の環境(状態)がどのように変わっているか。

それを分析していくことで、行動が引き起こされ、
そして、再度来る返されるかどうかが分かってきます。

動物を使った基礎実験で、原理原則を導き出し、
今度はそれを応用して、より望ましい行動が自然と引き起こされ、
習慣化していく。

ABA(応用行動分析学)には、
この「行動変容」に関して、非常に強力に効果を発揮します。

ABAマネジメントは、このABA(応用行動分析学)を、
人材マネジメントとして活かした、「行動」に直接働きかける、マネジメント手法なのです。

「やる気」や「意識」を原因としない

ABAマネジメントの大きな特徴の一つに、
「やる気」や「意識」などの人の内面が、
その人の行動の原因であるとは考えない点です。

その人の行動の「前後の環境」が、原因であると考えます。

「やる気」や「意識」、「想い」や「情熱」が先にあって、
それが人の行動の原因になっている。

これが常識であり、当たり前であり、
そこに疑いを持つと言う人はあまりいないのではないでしょうか。

しかし、これには大きな落とし穴があります。
それが「循環理論」です。

「循環理論」とは、「原因」と「結果」が循環してしまっている状態のことを言います。
次のような、職場でよくあるシーンで、ぜひ一緒に考えていってみましょう。

質問:報告が遅いAくん。
   さて、なぜAくんは報告が遅いのでしょうか。

よくある解答は、次のようなものです。

解答:
  Aくんがだらしないから。
  Aくんは社会人意識が低いから。
  Aくんには危機感が足りないから。

このように、Aくんの内面に原因がある、
という解答が一般的になるのではないでしょうか。

では、次の質問です。

質問:では、どうしてAくんはだらしない、
   と思ったのでしょうか?

Aくんをだらしないと思ったのはなぜでしょうか。
それは、Aくんの「行動事実」をみて、そう感じたからであるはずです。
つまり、ここで原因と結果がお互いに循環してしまっているのです。

「報告が遅い」のは「だらしない」から。
「だらしない」と感じるのは、「報告が遅い」から。

「だらしない」「意識が低い」「危機感が足りない」という内面を示す表現は、一見、「報告が遅い」という行動の原因のように思えますが、実は「報告が遅い」という行動事実を観察した結果、その事実を人の性質として言い換えているだけなのです。
行動事実の結果明らかになる、傾向を示す言葉です。

もし、何かしらのやり方により(それがABAマネジメントのアプローチになるのですが)、Aくんが報告をするという行動事実がたくさん出てくるようになれば、きっとAくんは「意識が高い」と言われるようになることでしょう。

このように、人の内面を原因にして、結局改善につながらないマネジメントから、行動に直接アプローチして、望ましい行動をどんどん引き出し、そして自分からその行動が起きるように習慣化する。

ABAマネジメントは、それを実現する、現実的で役に立つマネジメントなのです。