ここ何回かのテーマ、
「あとは、あなたが行動するかしないか次第です」
と言われるけれど、その「行動」することが、なかなかできない。

でも、それは、
「やる気」や「意思」の問題ではなく、

1.具体的に行動が定義できていない
2.課題分析ができていない
3.行動レパートリーがない
4.「きっかけ」がない
5.「結果」がない
6.つまり「行動随伴性」がない

からである、というもの。

本日は、「2.課題分析ができていない」について、
少し詳しくお伝えします。

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★行動を課題分析する。
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ABA(応用行動分析学)の用語で、
「課題分析」というものがあります。

行動をより細かく、
スモールステップに分解していくことをいいます。

例えば、「自転車に乗る」。

これは一見、一つの行動に見えますが、
よくよく考えてみると、人の行動がいくつか積み重なり、
「自転車に乗る」という行動が成り立っているのです。

ここで、ちょっとワーク!

「自転車に乗る」を、
もっと細かい、手足の動作レベルの行動に、
「課題分析」してみましょう。

・・・さて、いかがでしょうか。

例えば、こんな感じになります。

1.自転車を見る
2.自転車に近づく
3.自転車の左側に立つ
4.左手でハンドルを持つ
5.右手でハンドルを持つ
6.スタンドを右足で蹴り上げる
7.両手で自転車を支える
8.サドルをまたぐ
9.サドルにお尻を置く
10.右足をペダルに乗せる
11.左足で自転車を支える
12.右足ペダルを前に押す
13.左足で地面を押す
14.左足をペダルに乗せる
15.左足でペダルを前に押す
16.両手でハンドルをまっすぐにする
17.右足のペダルをふたたび押す
18.左足のペダルをふたたび押す

・・・ざっくりと、課題分析しましたが、
このように多くのスモールステップに分けられます。

順番にやっている行動もあれば、
ほぼ同時にいくつかの行動をしているところもあります。

課題分析をすることにより、
自転車に乗れない人が、
どの段階でつまづいているのかがわかるようになり、
それを指導することにより、
「自転車に乗れる」ようになります。

例えば、右足をペダルに乗せて、
押すところでつまづいている、
と分かれば、その行動を指導することができるわけです。

自転車に乗れない人に、
「自転車に乗れ」と、
いくらいっても、上達にはつながりません。

同様に、
「営業をしろ」
といっても、出来ない人がいるのであれば、
このように課題分析をして、
どの段階でつまづいているのかを見つけましょう。

そして、そのスモールステップに分かれた、
具体的な行動ができるように指導や練習をした方が、
より早く、「営業」ができるようになります。

なかなか思うようにできない行動があれば、
ぜひ「課題分析」をしてみてください。