本日はABA(応用行動分析学)のお話。

言葉を持つ人間ならでは、の概念で、
「ルール支配行動」というものがあります。

本当は行動していなくても、
言葉によって「疑似体験」を人はしているのです。

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★ルール支配行動とは。【行動分析学で人を動かす】
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「ルール支配行動」とは「行動随伴性を記述したタクトが生み出す言語刺激(=ルール)」のこと。

うーん、専門用語ではよくわかりません。
やはり、例でいきましょう。

「横断歩道を渡らないと事故に会うよ」

といわれると、横断歩道を渡るようになります。
事故にあったことないのに、です。

「毎日このサプリを飲むとやせるよ」

と言われると飲むようになります。
それで、まだやせた経験はないのに。

「この勉強法なら東大合格するよ」

合格していないのに。

「食べてすぐ寝ると牛になるよ!」

「トイレを掃除するとべっぴんさんになるよ!」

などというように、迷信じみたものであっても、
守ったりします。

このように言葉による疑似体験的な説明であり、
実際は結果が出現していなくて、経験をしていなくても、
人の行動は制御されてしまうのですね。

これを言葉による「言語刺激(ルール)」によって「制御(支配)」されている行動、

つまり「ルール支配行動」といいます。

これは、人間以外の動物にはない概念です。
意味のある言語を持つ、人間ならではのものです。

本来は、本当に事故に会うなどという結果(刺激)があって、
その経験から必ず横断歩道を渡るようになる、
などと、その後の行動が制御されるのですが、
ルール支配行動は結果が出現していないにもかかわらず、行動に影響を与えます。

また、同じ言語によるルールも、
誰が言うのかで大きく影響力がかわります。

「このサプリを飲めばやせるよ」とか「この勉強法なら東大合格するよ」と言われることも、
実際にやせた人やテレビで見る有名なモデル、
実際に合格した人や、有名な塾の先生などがいうと行動は制御されます。

が、そこら辺りにいる知らないおやじさんに言われても、
はいそうですか、とはなかなかなりません

よく、言われる内容より誰が話すかが大事、などと言われますが、
これはまさしく行動分析学でいうところの、
「ルール支配行動」の「確立操作」による違いというヤツなのですね。

ただ、毎回思うのですが、この学術用語、
ネーミングがあまりよろしくない。

「ルール」とか「支配」とか、
大抵の人はこのような言葉を嫌います。

だから、「ルール支配行動」って、
なんだか、「悪いやつ」という印象で捉えられてしまうのです。

ネーミングって結構重要です。
行動分析があまり「うけ」ない要素のかなあ、と悩んでおります。

でも、学術用語ですしね。
直訳(rule-governed behavior)なのです。

ちょっと長くなってしまったのでこの辺で。

こんな話にご興味ありましたら、
ぜひ当社団法人のセミナーにもお越しください~。

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★編集後記
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3月ぐらいから、
放課後デイサービスを運営されている会社と、
お世話になっている大学教授と一緒に、
職員の方向けのABAの研修をスタートする予定です。

当方は、社会保険労務士事務所も併設しておりますので、
「助成金」を活用して、研修費用や、
受講される従業員の賃金助成なども計画しております。

今後、そのような「助成金」も適用となる、
研修のプログラムを増やしていくようにしていきます。

ぜひ、従業員研修の一環として、
ABAマネジメントにご関心がありましたら、
お気軽にお問い合わせください。