本日はABA(応用行動分析学)のお話。

「プロンプト」という言葉をご存知でしょうか。

この「プロンプト」があるおかげで、
人は適切な行動をしやすくなります。

行動の補助となる「ヒント」のようなものです。

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★プロンプト不足とプロンプト依存【行動分析学で人を動かす】
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〇だれでも最初は「補助」が必要

大縄跳びで、なかなかタイミングが取れずに、
入れない子がいます。

こんなとき、あなたならどうしますか?

「せーの!」

というように、入るタイミングを声で指示したりするのではないでしょうか。

この「せーの!」にあたるものが、「プロンプト」です。

政治家の人が演説をするときなど、
立っている斜め前ぐらいに「透明な電子の板の装置」が、
立っていることをみたことはありませんでしょうか?

あの装置のことを「プロンプター」といいます。

まさしく、演説で次に話す内容や言葉が、
その板に移し出せれているのですね。

正しい演説をするためのヒントとなる「プロンプト」なのです。

【プロンプトの例】

初めて来た駅で、目的のホームにたどり着くために、
色分けされている案内板をみながら、辿り着けたりします。

この案内板がプロンプト。

初めてお客様の所に行き、
どこで金額提示をしたらいいか分からない部下に対して、
「ではそろそろ・・・」と上司がヒントを出すことで、
正しいタイミングで提示ができる。

この「ではそろそろ・・・・」もプロンプト。

もっと単純に、会議の場などで、
「A君、何か意見ない?」というのもプロンプトです。

日常には、補助的なヒントがたくさんあり、
それを手掛かりに人は行動をしています。

先ほどのような案内板、手順書、操作マニュアル、タイマー、上司の声掛け、上司の手本等々・・・。

これらの正しい行動のための補助的なものは、
まだまだ経験が足りなく、スキルが不足している場合には、
適切に行動してもらうために必要になってきます。

〇プロンプト不足とプロンプト依存

組織の問題でありがちなのが、プロンプトを一切提示せずに、
やらせたりする上司の問題。

初めてのプレゼンのときに、何もプロンプトは出さずに、
できない部下に対して、自分で何とかするのが社会人だ、
などと個人攻撃をする。

使ったことの無いシステムに戸惑っている部下に、
なんでこんなも分からないんだ、と同じく個人攻撃をする。

部下の正しい行動は出現せず、
ひいては組織のパフォーマンスが低くなっていることに、
往々にしてこのような上司のプロンプト不足があげられます。

一方で、「プロンプト依存」という問題も存在します。
本来、プロンプトというのは、慣れてきたら、
それがなくても正しい行動ができるものなのです。

何回か来た駅なら、案内板がなくてもたどり着けますし、
手順書がなくても操作できるようになるのです。

しかし、いつまで経っても、プロンプトに頼ってしまって、
適切な行動が身に付かない。
こちらもやはり行き過ぎては問題です。

最初はプロンプトを出し、徐々に減らして、無くてもできるようにする。

上司の部下育成の腕の見せ所なわけです。

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★編集後記
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今日は、大雪以来、初めて車を出しました。

大通りはすっかり雪はなくなっているのですが、
日陰のままの細い道路はまだ積もったままで、
凍っていて余計に怖い感じです。

こんなとき、慣れていない人が、
無理に行くのは、本当はご法度。

ただ、どうしても車ではないといけないところだったので、
出してしまいました・・・。

こういう人が事故をおこしてしまうのでしょうね。

特には問題なかったですが、反省。
気をつけましょう。