家庭環境も遺伝子も同じ双子なのに、
性格が違う・・・。

どうしてなのか、
それは「強化履歴」というものを知ると、
少しわかるかもしれません。

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★個人の性格は「強化履歴」次第?【行動分析学で人を動かす】
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ABAマネジメントは、人の行動の原理原則に基づくものですので、
基本的に、どんな人にも応用が可能です。

しかし、そうはいっても、
どんな人でも全て同じアプローチで改善できるかというと、現実的にはそうはいきません。

人による違いというものが存在し、
その違いを考慮しながら進めていく必要があります。

この人の個による差は、やはり「性格」があるということなのではないか、
といわれることもあります。

一般的には「性格」といわれるものではあります。
しかし、ABAマネジメントでは、
それは「性格」というような先天的なイメージのレッテルで捉えないように、
「強化履歴」と「文脈」の違いという考え方をします。

・「強化履歴」

強化履歴とは、その人が生まれてきてからいままで、
どのようなことに強化されてきたか、という歴史のことです。

人は数限りない行動の強化を積み重ねて生きてきています。

そして、「強化されることは、その後もより強化されやすい」という現象があります。

例えば、小さいころに近所の大人に「こんにちは!」と大きな声で、
あいさつをした子ども、Kくんがいました。

「こんにちは。おりこうさんね。」

と、近所の大人は声を返しました。
この返事が好子となって、行動が強化されます。

行動が強化されると繰り返すようになるので、
また他の近所の大人に、
大きな声で「こんにちは!」とあいさつします。

するとまた、「こんにちは。元気でいいね!」と返してくれて、
好子が出現します。

このように、強化される行動はより強化されるようになっていきます。
行動するので、機会が生まれやすくなるのですね。

Kくんはあいさつをたくさんするようになり、
「積極的」で「元気な子」と周りからはいわれて、育っていきました。

一方で、別のところに、同じように、
小さいころに近所の大人に「こんにちは!」と大きな声であいさつをした子ども、
J君がいました。

ところが、相手の大人の期限が悪かったのか、
「うるさい!大きな声出すな!」と怒鳴られました。

あいさつしたら嫌な結果がでたため、
行動は繰り返されなくなります。嫌子出現による弱化です。

Jくんは、次に近所の大人にあったときには、
あいさつという行動は起きませんでした。

あいさつという行動をしないので、
それが強化されることもありません。強化される機会がないのです。

そのまま自分からはほとんどあいさつをすることのないJくんは、
「消極的」で「元気のない子」と周りからいわれて、育っていきました。

兄弟姉妹や双子など、家庭環境、学校環境などが同じで育っていっても、
いわゆる「性格」が違うというのは、一つにこの「強化履歴」が違うという要素があります。

小さい頃のほんの小さな差が、機会があるかないかで差が出て、
どんどん大きく広がっていくのですね。

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★編集後記
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実は、昨日は私の誕生日でした。
もういい歳ですので、いまさらめでたくもないかな・・・。
と思いつつも、やっぱりお祝いされると嬉しいものです。

家族からバックや洋服などをプレゼントでもらいました。
感謝です。

一年一年を大事に、
充実した生活が送れるように頑張ろうと思います。