先日明星大学心理学部にて、八重樫が行動分析学の授業の一環として、組織行動マネジメントの授業を開催しました。

行動分析学の応用領域は、療育や学校教育などがほとんどで、企業におけるパフォーマンス向上や組織マネジメントへの活用は国内ではほとんど見られませんので、学生たちも興味津々でした。

授業では、組織行動マネジメントの概要と産業・組織心理学との違いから始まり、現場での活用例まで幅広くお伝えしました。

組織行動マネジメント(OBM)は、理論構築ではなく実際に組織へ介入し、行動変容を引き起こすことを目的としています。
スタンダートな心理学とは、目的やアプローチ方法、分析手法など異なっており、まさに実践的な行動科学であると言えます。

 

組織マネジメントや指導において、行動の所産とプロセスを分けて考える必要があり、プロセスを行動レベルでフィードバックすることが重要です。
まだスキル不足に人にとって、所産だけフィードバックするのはダメ指導に当たります。
特に、高い作業スキルを持っている上司がやりがちな失敗で、自身にとっては簡単に達成できる所産でも、指導される従業員にとっては「それを達成するためにはどんな行動プロセスが必要か」が伝わりません。
高い遂行能力を持っている人は、「出来て当たり前」「わざわざプロセスを言語化しなくても出来る」「感覚で出来る」となる確率が高いので、受け手に合わせて行動プロセスを明確化し、どこで躓いているのかをフィードバックしましょう。

 

以上、授業の一部を抜粋しましたが、最後に学生達に反応を紹介したいと思います。

学生A
学生A
これまで行動分析学の応用は療育だけだと思っていたが、企業や日常の様々な場面に行動分析学的な視点が潜んでるんだと感じた。このように、行動を観察し、効果的なフィードバックや強化子のデザインについて考えると、作業意欲や作業効率の向上に繋がり、その結果、過ごしやすく、より良い社会に繋がっていくのかなと感じた
学生B
学生B
これまで誰かに教えるとき、所産のみに注目してフィードバックしていて、上手く伝わらないことやモチベーションを下げていることに気づいた。これからは、失敗と成功だけをみるのではなく、結果に至るまでの行動分析し、どの行動が出来るのか、出来ないのかを行動からフィードバックしたいと感じた。
学生C
学生C
以前までは、「どんな改善手法があるのか」という角度のみ考えていた。しかし、本当に大切なのは、「どのように向上させる行動を見つけるか」「どんな行動が増えると仕事や生活が豊かになるのか」という視点で考える重要性を学んだ。

行動分析学の活用の幅広さが伝わったようで非常に嬉しかったです。
今後も積極的に発信していきたいと思いますので、興味・関心を持たれた方や、相談事などありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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