当法人の八重樫が4月17日に、ピープルアナリティクス&HRテクノロジー協会にて講演を行いました。

企業の人事向けに、「人事データ活用に活かす応用行動分析学」というテーマで、行動データをどのように組織改善へ繋がるかお伝えしました。
行動についての基本的な捉え方から、現場データや個人差に基づくシングルケースデザインという手法について、更には得られたデータをどのようにフィードバックへ活用するかまで充実した内容でした。

人事データというと、様々なものが対象となりますが、実際に現場の行動データを取っている企業は驚くほど少ないです。
今回の講演では、そんな行動データの重要性を伝えるところから始まりました。

次に、行動を適切に見ることの難しさについてお伝えしました。
「行動を見る」一見すると簡単で、誰でもやっていることと思うかもしれません。
しかし、現場の行動を継続的に観察することは実はスキルがいることで、一般的には成果の方に着目してしまいます。
成果や行動の所産(行動した結果)に着目するのではなく、その成果を達成するためにはどのような行動プロセスなのかを見る必要があります。

続いての内容は、現場の行動を記録・測定していくシングルケースデザインについてでした。
シングルケースデザインは、一般的な産業・組織心理学で用いられている手法とは大きく異なり、個人差を前提に、目の前の組織や人にとって効果的な手法を探求するアプローチです。
実践家や現場の人が求めているのは、普遍的に有効な確率の高いマネジメント手法ではなく、今この組織にとって有効な手法です。
シングルケースデザインは、まさにそのような実践のための手法です。

最後に、このようにして得られたデータを、組織改善へ活かすパフォーマンス・フィードバックについて紹介しました。

今回の講演では、企業の人事の方が95%以上で、現場でのノウハウが求められるのかと思いきや、意外にシングルケースデザインについて注目が集まりました。
講演後の質疑応答でも、多くの方から肯定的な感想や質問をいただき、非常に盛り上がりました。

今後も積極的に発信していきたいと思いますので、興味・関心を持たれた方や、相談事などありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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