拙著「自律型社員を育てる『ABAマネジメント』」。

ここに出てくる自律型社員とは、
具体的にはどのような人のことをいうのでしょうか。

明確な定義がないと、その育成もなかなか進まないものです。

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★自律型社員の行動特性とは。【行動分析学で人を動かす】
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さて、「自律型社員」となるためには、
そのようなレッテルを貼ってもらえるための「行動特性」をみつけ、
その行動を身に付け、習慣化となることで、育成することができます。

ABA(応用行動分析学)のアプローチによる、
「行動」からの育成です。

この「自律型社員」の行動特性を考えていきましょう。
辞書や一般的なビジネス書で「自律型社員」を調べると、
このように書かれています。

【自律型社員の定義】

「自らが考え、判断し、行動できる社員」

人によって、多少捉え方の定義は異なるかと思いますが、
概ねこんな感じではないでしょうか。

ただ、このままでは「行動」ではあるけれども、
まだ、具体的レベルにはなっていないようです。

具体的行動まで落とし込んでいないと、
結局、何もしないままでいるということが往々にしておきます。

今、その場でできないことは、明日も明後日も、一年後もできません。
具体性をチェックすることは、一歩踏み出す行動にしておくという意味で、
非常に重要なのです。

【自ら考える】

・もっとよい仕事のやり方を、自ら提案する
・どうしたらお客様にもっと喜んでもらえるか、案を出す
・なぜ、仕事がうまくできないか、理由を書き出す
・理念を実現するには、何をしたらいいかを発表できる
・自分が成長するためには、どんな知識と技術が必要かを伝えられる

【自ら判断する】

・次の仕事は何をやるべきかを、決めて周りに伝える
・選択肢が出た時に、理念に基づいて正しい方を選ぶ
・お客様から質問を受けた時、的確な回答を言う
・チームとしてのメリットを優先した、仕事の取捨を作る
・いまやるべき優先事項がわかり、それを書き出す

【自ら行動する】

・指示が出る前に、仕事を始める(仕事はその人の実業務)
・自分の仕事が終わった後、新たな仕事を始める
・立候補を集うようなとき、手を上げる
・会議では、必ず意見をいう
・難易度の高い仕事も、出来ないと言わず、やり始める

まずは、こんな感じで具体的行動レベルにしてみました。

実際には、その企業・組織に合わせた内容で、
もっとたくさん書き出してみましょう。

この工程を、研修ワークとして実施してもよいでしょう。
とても効果は大きいです。

研修を通して、抽象的な定義から、
具体的な行動レベルを考えるようになってきます。

ここに掲げた具体的行動、これがどんどん職場で起きるようになる、
そのような人が増えてくる、と「自律型社員」が増えてきたと言えそうです。

そして、実際にそのような人が増えてきた組織は、
間違いなく強い組織となれそうです。

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★編集後記
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昨日は住んでいるマンションで事件発生!

エントランスが水浸しになっていました。
どうやら、配水管から水漏れがあり、
天井部分から水が落ちてきているようです。

3月までは、私が管理組合の役員になっているため、
夜中に業者の方を呼んで、とりあえず被害が最小になるようにあたふた。

しんどい週明けとなりました。