以前、人事評価の際に、
山本五十六氏の有名な言葉を取り上げました。

今度は、その言葉をABA(応用行動分析学)的に、
考えてみたいと思います。

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★山本五十六氏の言葉をABAで考える。【行動分析学で人を動かす】
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やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、
ほめてやらねば、人は動かじ。

海軍の連合艦隊司令長官、山本五十六氏の有名な言葉です。
私は、よく管理職向けのセミナーや研修で、この言葉を使います。

人材マネジメントの本質を、これほど分かりやすく、
シンプルにまとめているものは他にはないのでしょうか。
個人的に大好きな言葉でもあります。

実は、この山本五十六氏の有名な言葉、
ABA(応用行動分析学)的に考えると、
より分かりやすくとらえることができるのです。

それに何より、ABAマネジメントでやろうとしていることと、
全くと言っていいほど同じことを、表現しているのです。

この言葉をABC分析してみましょう。

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A:先行条件
「やってみせる、言って聞かせる、させてみる」

B:行動
「行動する」

C:結果
「ほめてやる」
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こんな感じになります。
まず、放っておいても、なかなか人は動きません。

動くための「きっかけ」が必要なのです。
ABAの言葉では、これが先行条件になります。

A:先行条件   B:行動

・信号が青になる → 道路を渡る
・よーいドン!   → 走り出す
・トイレの看板がある → トイレに入る
・地図がある → 迷わず進める
・説明書がある → 機械が動かせる
・子どもが泣く → 親があやす

実は、全くなにもない状態の先行条件から、
人が行動を起こすということはありえません。

何もきっかけをもらわずに、自分自身で行動したと思われるものも、
実は気づいていないだけで、昔の記憶を思い出したというきっかけであったり、
本で印象に残ったことや、以前に言われたことが頭に浮かんだりで、
引き起こされているのです。

行動するための、何かしらの「きっかけ」があることは決して悪いことではありません。

山本五十六氏も、まずは「やってみせて、言って聞かせて、させてみせ」と言っています。
これは、「きっかけ」を与えるという先行条件を作っているのです。

しかし、それだけではダメだとも言っています。

やらせっぱなしではなく、行動した後に、
ほめてやらないと、やはり人は動かないと言っているのです。

ABA(応用行動分析学)的な言い方では、
「C:結果に好子を出現させる」ということになります。

A:先行条件で、明確にきっかけを与え、
B:行動したら、
C:褒めるという好子を出現させる。

まさしく、「好子出現による強化」ですね。

やはり行動の原理原則なのだと、この言葉を聞いたり使ったりするたびに、
私は、毎回ちょっとした嬉しくなったりするのでした。