当研究員の八重樫が、9月6日-7日に九州大学で開催された産業・組織心理学会 第40回大会において、自主企画シンポジウム「組織行動マネジメントを活用した職場支援-多様な現場に活かす行動科学の未来-」を開催しました。

産業・組織心理学会で組織行動マネジメント(OBM:行動分析学の組織活用)の話が出たのは今回が初で、現場の行動を変える新たなアプローチとしてのシンポジウムでした。

産業・組織心理学×OBM(組織行動マネジメント)

従来の産業・組織心理学でやられている多くは、Why「なぜそうなるのか?」という現象の理論的な解明が中心でした。
しかし、目の前の従業員や組織へ落とし込んで活用する、実践的な介入研究は少ないという傾向があります。
そこで、現場へ活かす行動科学として、How「どのように行動改善するか」がメインのOBMが力になれます。

産業・組織心理学で理論を探求し、その理論を現場へ落とし込む手法としてOBMを活用する。
こうなれば、互いの良さが活かされ、より産業・組織領域へ貢献できると思っています。

OBMの多様な実践

「多様な現場に活かす行動科学の未来」というサブタイトルの通り、大学の先生/企業管理者/コンサルタントと様々な立場の方に、OBM活用範囲の多様さをお伝えしました。

①組織行動マネジメントとは何か-その特徴と日本における現状-
②大学生・大学院生を対象とした組織行動マネジメント研究
③福祉現場における支援法の発案を促すカードゲームを用いた職員研修の効果
④現場が語る組織行動マネジメント-企業実践から見える魅力と課題-

という内容で発表が進み、最後に産業・組織心理学の専門家からコメントをもらいました。

産業・組織心理学の先生からは、「OBM役立ちそう!使えそう!」という温かいコメントもいただきつつ、「ハードルが高そう。初心者はどこから着手すればいいか?」という実装に関するコメントもいただきました。

企業の人の反応

シンポジウム参加者の割合を見てみると、なんと企業の方が7割以上で、実践的なOBMに強い関心を寄せられたことがわかります。

参加者コメントではこのような声が寄せられました。

実際の企業現場でも参考になりそうなお話でした
非常に目から鱗の興味深い内容でした。
まさに「理屈はわかったとしても、どう現場の課題解決につなげるのか」ということに悩んでいたので、もっと深く知りたいと思いました。
採用・配置・育成の観点からも、実際の組織行動をマネジメントしていくことと、産業組織心理の融合といった観点は非常に親和性が高いと思いました。

全体的に肯定的なコメントが多く、今後も産業・組織領域で、OBMを拡げていければと思います。
日本ABAマネジメント協会では、今回のシンポジウムで得られた知見をこれからの活動へ反映し、「現場の行動を変える」にフォーカスした実践・研究を行っていきます。
ご感心のある方は気軽にお問い合わせください。

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