ABAマネジメントは、行動の科学的マネジメント手法です。

科学的なものの良いところは、
再現性の高いところ。

「測定する」

ことが習慣化すると、
いろいろなメリットがあります。

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★ビフォーアフターを測定する。【行動分析学で人を動かす】
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学問としてのABA(応用行動分析学)においては、
本当は改善策を一気にたくさんやることは、望ましいとされていません。

取り組んだ施策の中で、何が行動を強化したのかをしっかり測定しておかないと、
色々やった中で、偶然何かがうまくいっただけで、
その何かが分からないと、再現性がないことになってしまいます。

「研究」にはならないわけですね。

「報告があったら、ありがとうということにした、というルールのみを実行したら、
報告数が増えた。一か月後、ありがとうということをなくしたら、報告数が減った。
ゆえに、ありがとうということが、好子として働き、報告という行動が強化したといえる。」

ということを、学問でのABA(応用行動分析学)では、
数字などのデータをもって証明することが必要になるのです。

しかし、組織の改善の現場においては、極端な話、何がうまくいったか、
を突き止める必要はなく、報告が増えて、目的につながり、
組織の成果となれば、そちらが正解になるわけです。

わざわざうまくいっている施策を、再度やらなくして確かめるなんてことは、
するはずもありません。

ただし、そうはいっても、やたらめったら、
なんでもトライしてというのでは、
いろいろとやらされる方も疲弊してしまいます。

「また、上が何かやり始めたよ」というような印象を、
従業員が持つというマイナス効果も考えられます。

ABAマネジメントは、やはり科学的なマネジメント手法というこことで、
ここではぜひやってほしい、「改善前」「改善後」の測定のことをお伝えいたします。

まずは、改善策を実施する前の「報告の数」をカウントしていってください。

一ヶ月程度の間で、どれだけ部下からの報告があったかを数えていきます。
これを「ベースライン測定」といいます。

そして、改善策を実施してから一ヶ月、
同じように報告があった数をカウントしていきましょう。
ベースラインに比べて、改善後の報告数が増えたかが、
目に見る形で分かるようになります。

ここで、期待よりも増えていないようだったら、
別の取り組み策を実施するなどの判断材料として使うこともできます。

ある取り組みで効果がたくさん出ていることが分かる様であれば、
それは取り組みの成果として、組織の見える成功実績となります。

数字として関連性が見られるようになるところまでを目指していきましょう。

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★編集後記
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昨日は、継続して運用サポートしている、
「A4一枚評価制度」を実施しているお客様へ。

社長と管理職が集まって、
シートの運用の仕方をあーだ、こーだ。

更なる改善案がでてきて、
より効果を発揮できる運用ができそうです。

このメルマガでも、何度かお伝えしていますが、
人事評価で効果を出そうとする取り組みは、
緊急度の低い第二象限に位置するもの。

周りでのサポートがないと、止まってしまうものなのです。