あまり強く、理念だとか想いだとかを持っていない自分ではありますが、
ABA(応用行動分析学)をもっと身近に、もっと誰でも活用できるようにしたい、
という気持ちだけは多少あったりします。
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★日本におけるABAの現状。【行動分析学で人を動かす】
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ホワイトカラーのマネジメントの先進国であるアメリカにおいては、
人材マネジメントに用いる理論の一つとして、主流とまではいきませんが、
ABA(応用行動分析学)は、とても多く用いられています。
ABA専門の大きなコンサルティング会社も多く存在しています。
一方、現在の日本においては、
ビジネスのシーンではABAはほとんど活用されていません。
発達障害児(自閉症児)への療育方法の一つとして用いられていることが多く、
日本でABA(応用行動分析学)といえば、
この発達障害児向けのプログラムの理論、といわれることがほとんどです。
なぜ、あまり日本のビジネスの世界では広まらないのだろう、
と考えることがあります。
専門用語が難しい、原理原則よりも経験則が好まれる、
なども理由の一つだとは思いますが、
やはり「心のなか」が原因ではない、という考え方に、
受け入れがたい要素があるのではないか、と感じています。
「やる気」や「意識の高さ」、「情熱」や「想い」などが大事であって、
それを引き上げていけば、きっと自律型の良い社員になる、
という考え方がやはり主流なのです。
ただし、それでうまくいっていないケースは本当に多く見かけます。
そもそも、心のなかを原因にすると、すべて結果論でいくらでもいうことが
できてしまいます。
うまくいけば、「意識が高まったから」といえますし、
うまくいかなければ、「まだまだ意識が低いから」といえます(循環理論に陥っている状態です)。
人には、どこかに「意識メーター」なるものは存在していないのです。
目に見えないメーターがあるとしても、
それはまわりがいくらでも主観で決められるものなのです。
より現実的で、より着実に、改善につながるABA(応用行動分析学)を使ったマネジメントが、
日本の企業の生産性を上げる一つの重要なキーファクター(主要因)となることを願っています。
そして、そのために少しづつでも、ABA(応用行動分析学)を知ってもらい、
使ってもらうことを広めていきたいと思っています。
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★編集後記
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昨日は、5時間プラス2部(懇親会)2時間の、
自身のインプットの日で、外部で研修を受講していました。
そこで、教えてもらった言葉。
「可愛くば、五つ数へて三つほめ、二つ叱って良き人となせ。」
二宮尊徳氏の言葉です。
「数えて」を「教えて」としている場合や、
「良き人となせ」を「良き人にせよ」などといった、
多少のちがいも見られます。
根拠はあいまいだそうです。
でも、これも人のマネジメントを分かりやすく表している、
とてもよい言葉と感じたのでした。