先日の4月27日にOBM(組織行動マネジメント)セミナーを開催しました。
「科学的な組織マネジメントの実践」というサブタイトルの通り、行動科学に基づいた行動変容(以下「組織行動マネジメント」と呼ぶ)の実践STEPをお伝えしました。
「理屈ではなく行動データで語る」この信念のもと、各STEPごとに、実際に組織へ介入したケースの行動データと共に紹介しました。
これは組織行動マネジメントのスタンダードな進め方です。
一見すると、専門用語がほとんどなく、カッコいい横文字などもありませんので、「普通」に思われるかもしれません。
しかし、これこそが一般的な組織改革と組織行動マネジメントの大きな違いです。
一般的に組織改革を考える際、研修などの特別な取り組みを考えがちですが、組織行動マネジメントは「日々当たり前の職場環境」へアプローチします。
普通の職場環境を、徹底的な分析と行動データに基づいて介入することで、非凡なものになるんです。
小手先のテクニックではなく、長期的な組織の仕組みとして落とし込み、特定のコンサルや上司がいなくても行動改善が維持されるところまでが目的です。
各STEPの詳しい内容や、具体例につきましては、セミナー参加者の特典ということで今回は割愛しますが、一部をここで紹介したいと思います。
今回紹介するのは、講師の八重樫が実際に組織へ介入した際のデータです。
縦軸が行動の遂行率で、横軸が週ごとの時系列です。
最初だけ85.2%と高いですが、その後の推移を見ると、70%くらいが通常の遂行率だと考えられます。
組織へ行った介入は、全体と個別のP・F(パフォーマンス・フィードバック)です。
P・Fについては下記をご確認ください。
全体では遂行率に変化が見られませんでしたが、個別のP・Fでは目標の80%を安定して超え、最終的には93.2%までいきました。
取り組みの終了時は、外部のコンサルや研究者がいなくとも、この取り組みを維持するために、自動グラフ化ツール作成と主任たちへの指導を行い、フェードアウトしました。
組織行動マネジメントは、魔法のテクニックではありません。
対象の組織の行動データを継続的に測定し、日常の業務環境と合わせて分析することで、その組織に適した介入案を見つけていきます。
先程のデータでも、全体PFから個別PFへ移行しているとおり、「どんな組織でもこれをやれば上手くいく!」というテクニックではなく、
・”どのように”向上させる行動を見つけるか
・”どのように”現状の情報を収集するのか
・”どのように”改善手法を考えるのか
・”どのように”上手くいっているのか判断するのか
・”どのように”失敗時のフォローをするのか
という行動科学の技術体系です。
どうしても改善のテクニックや、上手くいった際のデータに目を引かれがちですが、本当に大事なのはこれらであることを忘れてはいけません。
いかがでしょうか。
もしこれを見て、組織行動マネジメントに興味・関心を持たれた方は、ぜひご連絡ください。