ちょっと使えるABA(応用行動分析学)のお話。

本日は「消去バースト」の原理をお伝えします。

それまで強化されていた行動が、
消去される前には、一時的に行動が爆発します。

この現象を知っておくと、
消去をやるべきかどうか、危険性も含めて考えられるようになります。

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★『消去』の原理(アメとアメ無し)【行動分析学で人を動かす】
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〇消去バースト

行動が「消去」されるときについてくる、
面白い現象の「消去バースト」。

バースト?という言葉のイメージがぴったりの、
大変面白いこの現象をお伝えします。

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【消去バースト】
「強化されていた行動が、消去される前に、
一次的に爆発的に行動が増える現象」
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これも、まずは例をみていただくと分かりやすいかと思います。

【消去バーストの例】

・朝、リビングの電気をつけようと壁のスイッチを押したが、 電気がつかない。
何度もスイッチをガチャガチャ押したが、
結局つかなかったので、スイッチを押すのはあきらめて、そのままにした。

元々は、スイッチを押すという行動は、
電気が付くという好子が出現することによって、強化されていました。

ところが、電球が切れたか何かで、
スイッチを押しても電気がつかないと(好子が出現しない)と、
スイッチを押す行動はしなくなります。(消去される)

ところが、この消去される直前に、
一時的に行動がたくさん増えたり、強さが強くなったりします。
これが、「消去バースト」です。

・自動販売機で、ボタンを押しても缶ジュースが出てこないと何度もボタンをたたく。

・ボールペンで字を書いていたが、途中からインクが出なくなったら、
強くグルグルとペンを押し付ける。

・子どもが泣いていたら、いつもお母さんが構ってくれていたのに、
構わないようにしたら、もっと泣くことがひどくなった。

消去バーストは、これをうまく活用しようというよりも、
行動が消去される前には、この現象があるということを知っておきましょう。

実際に、消去は、ダメな行動、望ましくない行動をやめさせたい時に用いることが
多くなります。(アメ無しで行動を減らす)

しかし、今まで強化されていたものを消去しようとするときには、
多かれ少なかれ、必ずこの「消去バースト」が起きてしまうのです。

好子を出現させない、もしくは嫌子を消失させなければ、
最終的には行動は消去されます。

ただし、その過程で起きる消去バーストのときに、
反応してしまったりすると、さらに強化されてしまって、
ダメな行動がなかなか消去されない、ということが起きてしまいます。

もっと行動すれば、
もっと強くすれば、
もっとたくさんすれば、
好子がでてくるのでは、と学習してしまうのですね。

消去する際には、消去バーストがあることを分かっておきましょう。

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★編集後記
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朝起きたら右の耳の下に激痛。
腫れていました。

あまりに痛くて口があけられず。

お恥ずかしながら、
放置していた虫歯が一気に痛み出したようです。

何も食べられず、
事務所の近所の歯医者さんに夜行きました。
20年ぶりぐらいです。

当日、すぐに削って詰め物して治療してくれました。

ついつい、後回しで、ひどいことになってしまいました。
自業自得ですね。